旅行業界への窓口の資格
旅行業界唯一の国家資格である旅行業界取扱管理者の資格は、就職にはとても有利と言われていますが、実際に取得した後は実務の中で活かされているのでしょうか?
この旅行業務取扱管理者の資格、就職や転職に有利となることから、旅行業界への窓口と考えている人も多いようです。
そのため実際に仕事をしてから活かしたいというよりも、就職するための資格として考えている人も多いようです。
今回はこの資格の本音に迫ってみたいと思います。
旅行業界取扱管理者と仕事内容
旅行業界取扱管理者を取得して、実際に仕事をしてみると、正直あまり勉強したことと、実務が結びつかないと感じる場面も少なくはありません。
旅行業界取扱管理者で出題される問題は、法令、約款、運賃計算などが出題されます。
しかしながら実際に働いていると、法令や約款は確かに、旅行者と旅行会社がトラブルなった際には役立つこともありますが、そうではない通常の業務には特別必要がないことも多いようです。
また運賃計算も資格試験のヤマと言われていますが、実際には航空会社などからはすでに決まった運賃が提示されるため、一から計算することはほとんどありません。
つまり実務においては、運賃計算が役立たないことも少なくはありません。
実務と資格
実務では、やはりメインとなるのが航空端末の操作になります。
航空端末の操作は空席照会に必要なものですが、この資格試験には出題されません。
別にアクセス検定と呼ばれるものがあり、こちらが航空端末の操作がメインとなる資格になります。
つまりメインとなる航空端末の操作と、旅行業務取扱管理者の資格はやや結びにくい点もあります。
しかしながら資格試験には、英語や地理問題などが出題されるため、これは大いに役立つといえます。
資格試験は就職に関係ない!?
確かに資格を持っていた方が就職に有利と言われていますが、持っていない人もたくさん就職して活躍しています。
特に新卒であれば、入社してから取得しても遅くはありません。
また必ずしも資格を持っているから、仕事の成績が良いかというと必ずしもそうではありません。
つまり資格試験とは別に、入社してからたくさんのことを勉強しなければなりませんし、あくまでもスタート地点は会社で働き出してからが重要になります。
特にノルマが達成できるできないは、資格を有無よりも実力が問われる世界です。
つまり資格を持っていない人であっても、努力次第でいくらでも羽ばたけるチャンスがあるといえます。
資格手当が支給されることも!
会社によっては、旅行業界取扱管理者の資格を持っていると資格手当が支給される場合があります。
月額の相場は5000円前後となりますが、もともと給料水準が低いこの業界において、5000円はかなり大きく感じる人もいることでしょう。
昇給と独立
確かに実務とこの資格はなかなかダイレクトに結びにくいものですが、しかしながらやはり昇給や独立を目指すのであれば、この資格は欠かすことはできません。
つまり不動産業界における宅建と同じで、ある程度の年次のスタッフや起業を考えている人にとって、持っていて当たり前の資格でもあり、役職への昇進、特に独立を考えているのであれば必須となっています。
ただし実際には入社してからは、残業も多く、なかなか仕事をしながら勉強をすることが難しい環境にもあります。
なるべく時間に余裕のある時や、入社前に取得しておくことが望ましいといえるでしょう。