増える外国人旅行者
旅行代理店に必要な資格といえば、旅行業務取扱管理者と思われがちですが、意外にも業務の中で必要とされるのが、語学力です。
旅行業務取扱管理者と実務は必ずしもイコールで結びつかない点も多くあります。
例えば約款や法令、航空運賃の計算といった、旅行業務取扱管理者の問題に出題されるものは、実は毎日の業務では使わないものもあります。逆に必要なことといえば、航空券の発券に関することやよく売れるホテルの場所などとなります。
しかし一方で語学力は毎日の業務で使うことが増えてきています。
例えば近年、外国人旅行者の増加によって、日本国内を旅行する外国人が増えてきています。
特に鉄道のスケジュールを考えなくてもよいバス旅行や、1泊でも気軽に出かけられる温泉旅行の需要は着実に増えつつあり、これからもそのマーケットは伸びていくと考えられています。
そのため語学力はこの旅行業界において、ますます重要になっていくことでしょう。
特に英語力が必要なランドオペレーター
旅行代理店に欠かせない航空端末の操作の表記は、基本的に英語となります。
航空端末は空席状況を調べるだけではなく、現地にメッセージを送ったりすることもあります。
その際に基本的には英語となることも多く、業界用語も英語が多い傾向にあります。
特にランドオペレータ―とよばれる、旅行者と現地のホテルや鉄道などの橋渡し役となる仕事の場合、現地で英語でやりとりをすることが多いことも事実です。
例えば現地のホテルにお客さんが忘れ物をした場合や、事前にアメニティやホテルの施設に関して、日本サイドで調べても分からないことが発生した場合は、旅行代理店がランドオペレータ―に伝えて、ランドオペレータ―が現地のホテルに聞いてくれます。
つまりランドオペレータ―は旅行業界の中でも、特に語学力が必要となります。
英語の資格を持っていることはもちろんですが、英会話ができないと仕事にならないといえるでしょう。
海外添乗員は英語力必須
また旅行業界に欠かせない存在といえば、添乗員です。
海外添乗員となるためには、ある程度経験を積まないとなれませんが、やはりその際に必要となるのが語学力です。
添乗員は派遣会社に登録をして、派遣添乗員として働くことが一般的で、英語を話すことができないと海外添乗員としては、まず働くことができません。
英語力のレベルとしては英検2級程度、もしくはTOEIC700点程度があると、スムーズに仕事をこなすことができるでしょう。
海外では必ずといってよいほどに不測の事態が発生します。
欠航によって代替え便を用意しなければならず空港スタッフと交渉をしなければならないこと、現地のホテルがオーバーブッキングになってしまい代わりとなるホテルを手配すること、時にはツアー客の病院に付き合ったり、盗難届けを出したりという事態もあり、かなりのハイレベルな会話力を求められることもあります。
また空港や機内でのアナウンスも聞き取れないとなりません。
出発ゲートの変更や大幅な遅れなど、スケジュール変更も日常的によく起こります。
特に場所によっては、英語を話せるガイトしか手配できないこともあり、時に通訳のような仕事をこなさなければならないこともあります。
また海外添乗に必要な手配書もついても、基本的に全て英語で記載されています。
とても難しいものではありませんが、誤った解釈をしてしまうと致命的なことにもなりかねないため、注意が必要といえるでしょう。