アンケートがあるのが基本

添乗員の仕事にはいわゆるパッケージツアーとよばれる募集型企画旅行と、幹事などの代表者がいて一緒に希望の行程を作り上げていく受注型企画旅行とよばれるものがあります。

 

前者の場合はツアー終了の際にアンケートが配られ、ツアー内容の評価をツアー客が行い、今後の商品の企画などの参考とすることが一般的です。

 

一方後者の場合は、お客さん全員にアンケートがあることは少なく、どちらかといえば幹事さんのみに行うケースもあります。

 

しかしこのアンケートは添乗員にとってみれば、毎回評価を下されるため精神的負担に思っている人も多く、これが嫌で辞めてしまう人も少なくはありません。

アンケートの回収方法

アンケートの回収方法は、会社によって様々ですが、かつては無記名なものが一般的でしたが、最近では名前を記載するものも増えています。

 

その背景には自分の記入したものに対して、責任を持つという思惑があると考えられています。

 

アンケートの回収方法には、会社に直接郵送する方法で添乗員がその結果を見ることができないものと、その場でアンケートを回収して添乗員自ら集計をしているものがあります。

 

後者の場合は、40名いたら全て集計して会社に報告書と一緒に提出をしなければなりません。

 

添乗員にとってみれば自分に対する批判的にコメントを見ながら、集計をすることが辛いという現実もあるようです。

 

さらに集計する時間もサービス残業で行わなければならず、添乗員にとってみれば添乗以外の仕事もまた一つ増えてしまうことも意味しています。

アンケート結果の活用

アンケートはツアーに使われたホテルやレストランなどを評価されるだけではなく、添乗員へのクレームや改善点など、添乗員に対してのリクエストが多いことも事実です。

 

このアンケートの結果をもとに、派遣会社はその添乗員対しての仕事量を決めたり、最悪の場合は首切りというケースもあると言われています。

 

そのためアンケートの評価をよくすることに注目するばかり、添乗員が本来の仕事を出来ないという声があることも事実です。

 

またアンケートは一部の心無い人たちによって、添乗員を明らかに誹謗中傷するものや、時にもありもしない話を盛られるケースもあり、それが問題となっていることもあります。

 

つまり時には正しい評価を下せないこともあり、それがアンケートの難しさとなっています。

 

ただ添乗員を監督する立場の人がいないこともあり、ツアー客にそれを委ねている役割もあるといえるでしょう。

アンケートは悪いことばかりではない!

しかしアンケートで一定の評価を得られれば、バンバン新しい仕事が入ってくるので、給料アップにもつながり、海外添乗にも積極的に行かせてくれるメリットもあります。

 

さらには添乗員そのものスキルアップにもつながるとも言われています。

 

つまりアンケートの評価を上げるために、さまざま努力をしている添乗員がいることも事実です。

 

自ら観光地について勉強をして資料を作成したり、お手洗いの場所を全ては把握しておいたり、その地の名物、おいしいもの、それぞれのお酒の味までもきちんと勉強している人もいるのです。

 

こういう小さな積み重ねが将来的には「○○添乗員と行く○○ツアー」のような、自分のブランド商品を持つことも夢ではありません。

 

ここまで評価を得ることができれば、日当の金額もかなり上がり、繁忙期は月に添乗に行く日数が20日以上となることも少なくはないはずです。

 

しかしここまで達成できる添乗員はごくわずかであり、あるデータによれば、半分以上の人たちが半年以内に辞めていくということも報告されています。

 

アンケートに固執するのではなく、参考程度にする気持ちの余裕もまた快く仕事をしていく上で大切であるといえるでしょう。