近年は激安ツアーが人気

近年激安ツアーのバスツアーは増えてきています。やはり旅行者自身も安くて、たくさん観光に行ける割安な商品を求める傾向にあり、高い商品はなかなか売れない理由がその背景にあります。

 

またシニア世代にとっても、豪華な旅行をするほど余裕はないけれど、日帰りのバス旅行であれば手軽の楽しめるという人も多く、とにかく安い商品が売れる時代に突入しているといえます。

 

しかし激安ツアーにはそれなりの理由があり、添乗員にとってもそのしわ寄せが少なからずきていることも事実です。

 

そこで今回は激安ツアーのからくりと仕組みについて、ご案内していきます。

激安ツアーが実現できる理由

激安ツアーはバスの駐車場代金以外はあまりお金のかからない観光スポットを巡ったり、食事処やホテルのランク自体もあまり高くないところを使っていることが多いことも事実です。

 

食事についていえば「名物を食べられる!」とうたっていても、実際には量が少なかったりということも少なくはありません。

 

また宿泊を伴うツアーであれば、ホテルの場所が郊外で、散策するショップもレストランもなかったということもあり得るのです。

 

また激安ツアーは、お土産ショップに立ち寄る回数が多かったり、滞在時間が多いこともその特徴の一つです。

 

つまりお土産ショップでお客さんが落としてくれたお金の一部は、手数料(コミッション)として会社に収益になるためで、もちろん立ち寄る回数が多いほどその利益も増すという仕組みとなっています。

 

そして激安ツアーは、添乗員の給料にも関係してきます。

 

添乗員の給料は、基本的には日当性となっており、日帰り添乗は8000円前後が相場となっています。

 

しかし激安ツアーは、これを下回ることも多く、添乗員としても忙しい割に給料が少ないという待遇を余儀なくされている現実があります。

激安ツアーの添乗が大変な理由

激安ツアーの添乗が大変なことの理由の一つに、とにかくスケジュールが詰められすぎていて、忙しいという点が挙げられます。

 

その上激安ツアーは満員なことも多く、お手洗い休憩など、想定している時間の倍以上もの時間がかかってしまうことも少なくはありません。

 

また人数が多いことはその分事務的な仕事も増えることを意味しています。

 

例えば、添乗後に行われるアンケートの集計を添乗員自身が行うこともあります。

 

つまり40名いれば、40名分行わなければなりません。

 

しかもこれは添乗の業務外に集計をしなければならず、忙しい合間を縫って、たくさんの仕事をこなさなければならない現実もあるのです。

参加者の客層

多かれ少なかれ、参加する客層も高級ツアーと比べれば、やや落ちることも否めません。

 

そのためちょっとしたお客さん同士のトラブルなどもよく発生し、その対応に追われることもまた事実です。

 

また激安ツアーにも関わらず、期待値の高い人もおり、現地でクレームとなることもあります。

 

それは近年インターネットの口コミによって、事前に下調べをする人も増えてきています。

 

時には現状よりも高い期待をしてくる人もいることも事実です。

 

同じ場所に行くツアーであったとしても、高級ツアーとは利用するレストランやホテルが異なることも多く、それを勘違いしている人もいるといいます。

 

また添乗員の本音として、お土産ショップなどの試食コーナーでも図々しい行動をとる人も安いツアーの方が多いことも事実です。

 

高いツアーは一部のベテラン添乗員が担当することも多く、大半の添乗員がこのような安いツアーを担当しています。

 

つまり結局は日々をそれをこなすことが精いっぱいで、ある程度したら辞めてしまうという現実があるといえるでしょう。