離職率の高い添乗員
添乗員という仕事はとても離職率が高く、統計データによってもまちまちですが、半年以内に半分以上の人が辞めてしまったとか、3ヶ月以内に半分いなくなったなど、様々なことを聞きます。
確かに旅行業界自体、非常に離職率が高いことで知られていますが、中でも特に添乗員は離職率が高い仕事といえます。
ではなぜこれほどまでに離職率が高いのでしょうか?今回はその理由についてご案内していきます。
給料が安い!
添乗員の給料は、基本的に日当となります。
つまり基本給がないため、月の収入が不安定であることに加え、国内添乗で8000円〜10,000円前後、海外添乗で9,000円〜12,000円前後が相場となります。
つまり20日添乗しても手取りで20万円程度、さらに社会保険や年金などは自己負担であることが一般的なため、かなり給料水準としては低いことが挙げられます。
つまり一人暮らしはなかなか難しい現実があるといえます。
サービス残業が多い!
添乗員は添乗だけが仕事でありません。添乗したごとに日報を書いたり、精算をしたり、アンケートの集計をしたりと、その業務内容も多岐にわたります。
クレーム対応が深夜まで続いたり、時には観光地の下調べをしたりと、様々な仕事があります。
基本的にはこれらの仕事はサービス残業であることが多く、時間外手当はつかないことが多いのです。
もしくは時間外手当を申請すると、派遣会社からあまり好感をもたれないことも多く、残業自体が申請しにくい雰囲気すらあることも多く、結果的にサービス残業となっていることも多い現実がそこにあるのです。
クレームが多い!
この仕事は接客業が基本となり、とにかくクレーム対応やトラブル対応に追われる仕事でもあります。
一つのツアーでクレームやトラブルがない方が少ないといっても、過言でありません。
時にはツアー客同士とのトラブルに巻き込まれたり、盗難被害のために警察までに付き合ったり、時には病院まで付きあうことすらもあります。
飛行機の欠航、ホテルでのオーバーブッキングなど、常に臨機応変かつ冷静な判断が求められます。
また基本的にトラブルなどが発生した場合は、一人で解決することが前提となります。
自己負担の出費が多い!
また添乗員の離職率が高い理由に、自己負担が多いことも事実です。
地元の電車が遅延してしまい集合時間に間に合わないときに利用したタクシー代や特急代金、お詫びのお菓子や交通費なども暗黙の了解で、自己負担としているケースが多く、添乗の仕事で使う文具やガイドブックなども自分で用意をしなければならないことも多いのです。
ただでさえ少ない給料が減ってしまうことにもなり、その待遇に不満を感じている人も多いのです。
労働環境の改善が必要!
添乗員の仕事は景気や国際情勢、天候などに左右されやすく、テロや震災が起これば仕事が全くなくなってしまうこともあります。
また春や秋などはツアーが多く催行されますが、真夏や冬となればツアーの数もぐんと減ります。
つまり季節労働者でもあり、なかなか旅行代理店としても正社員で雇用できない現状があるのです。
このような事情により、添乗員は不安定な雇用を強いられ、結果的に離職率が高くなり、常に新しい人が入っては辞めていく人がいるというスパイラルが出来がってしまっているのです。
さらに仕事がハードで給料も安く、労働環境の改善も叫ばれている現状があります。
近年はその労働環境を改善する動きもでてきており、今後その労働環境が改善されれば、離職率が低くなっていくことも期待できることでしょう。