ベテランスタッフが担当する旅行代金の値付け
旅行の商品を企画・販売する上で、重要な仕事に旅行代金の値付けがあります。
これはいわゆるインターネットやパンフレットなどに記載される料金のことで、まさに旅行の商品を造成する上で、「核」となる仕事です。
この仕事は幅広い商品の知識を要求される仕事であり、基本的に担当する人はベテランスタッフが多いことがその特徴です。
つまりこれを誤れば、会社に赤字を出してしまったり、時には大きな損害を出してしまうことにもなりかねないのです。
その商品の特色だけではなく、業界全体の流れを読み取ることが大切であり、営業としてある程度経験を積んだ上で、任されることが多いのです。
そこで今回はこの旅行代金の値付けについて、ご紹介していきます。
どのように値付けをする?
この値付けとよばれる作業をするにあたって、まずタリフとよばれる資料が必要となります。
これはいわゆる販売する上で条件や料金などが記載されている資料のことで、時には英語で記載されている場合もあります。
シーズン、利用する人数などによって異なる料金形態を細かく読み込んでいきます。
基本的に販売する上で最低料金というものが決められているため、これを上回る料金で値付けする必要があります。
場合によっては料金が20項目暗い細かく分かれている場合もあり、非常に細かく、集中力が求められる仕事であるといえます。
値付けをする上で注意すべき点とは
この値付けの仕事は、色々な条件が提示されている場合に、かなり細かい仕事が求められます。
例えば○人以上で利用すれば割引サービスがある、子ども料金は大人○人以上が条件でそれ以外は大人と同額、○泊以上すれば1泊無料など、色々な「条件」を読み込んで、料金を設定して行かなければなりません。
これを誤るともちろん相応しくない料金で販売をすることになり、実は赤字商品を販売していたことにもなりかねないのです。
細かい表を見ているだけでも、ちょっぴり頭が痛くなるような仕事で、人によっては間違えないように定規や蛍光ペンなどを使って注意を払っていることもあります。
実際に体験したトラブル
入力ミスなどによって誤った販売価格で商品を販売してしまい、赤字を出してしまうことは、そう珍しいことではありません。
この仕事は基本的に専属のスタッフが担当するため、他の人のチェックが入らずにウェブ上で公開されてしまうことも珍しくはないのです。
実際に後日ホテルからの請求がきた際に、実は赤字で販売していてひやっとすることもあるのです。
今さらお客さんお詫びをして請求できるものでもなく、まさに会社にお詫びをするしかないのが現実です。
実際にあった旅行者にとってラッキーな裏話
赤字で販売していたことにすでに今ウェブで公開中に気が付いた場合、すぐにその商品を非公開にして、正しい料金を再度入力してから一般に公開をします。
しかし24時間予約可能なオンライン予約では、公開されている限り、誤った料金で販売しているものに予約が入ってきてしまうことも事実です。
すでに予約が入っていてしまいクレジットカードなどで決済されている予約に対して、料金が誤っていたとは、旅行会社はなかなか言いづらいことも、旅行代理店の本音です。
そんなことをすれば会社の信用を落とすことにもなり、旅行者からも不審に思われてしまうのです。
よほど大きな赤字であれば、謝罪の連絡をした上で他の商品に誘導するケースもありますが、これは稀です。
大半は赤字で販売してしまってもその事実をのむしかなく、旅行者はそんな事情も知らずお得に旅をすることができるのです。