旅行業務に欠かせないブッキングクラス
旅行の仕事をする上で欠かせない知識に「ブッキングクラス」があります。
ブッキングとは英語で「予約する」を意味しており、つまり予約する航空券のクラスという意味になります。
実はこのブッキングクラスは少々複雑な仕組みとなっており、これをミスすると赤字を出してしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、ブッキングクラスの重要性についてご案内していきます。
細かく分かれているブッキングクラス
航空券のクラスとはどのようなものなのでしょうか?
一般的にファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスなどが知られていますが、実は手配上ではもっと細かく分かれています。
例えばエコノミークラスにはA〜Kというように細かくクラスがあり、Aは5万円、Bは7万円などというように、それぞれ料金が異なる仕組みとなっています。
Aは公式ホームページなどのウェブサイトで予約できる席、Bは早割の席、Cはキャンペーン商品を対象とした席というように、一つのエコノミークラスのクラスの中でも細かく分かれており、手配するクラスを誤ると赤字になりかねないのです。
どのクラスを手配する?
どのクラスを手配するのかというルールは、航空会社から旅行代理店に配られる「タリフ」に基づいています。
同じ成田発ハワイ行きの便であっても、60日前までの予約はEクラス、30日前までの予約はFクラス、7日前までの予約はGクラスというように、時期によってブッキングクラスが変わることが一般的です。
つまりこのタリフを見間違えたり、手配するクラスを誤ると、その旅行代金に見合わないクラスを手配してしまうことになり、採算が合わなくなってしまう可能性もあるのです。
ありがちなのが、早割と通常の商品のブッキングクラスを誤って手配してしまうことです。
早割とは早く予約するかわりに料金が安く設定されており、旅行単価も割引があったり、安い設定となっていることが多いのです。
早割はXクラスを手配すべきところを、通常のTクラスで手配をしてしまったということになると、高い料金を航空会社から旅行代理店は請求されることになります。
しかしお客さんから振り込まれているのは早割代金となり、採算が取れなくなってしまう可能性もあるのです。
誤って手配をしてしまったら?
取り直しができる時期であれば取り直しをしますが、例え通常の席に空席があっても、実際には満席であったりとなかなか取り直しができないことが多いのです。
もちろんこれは旅行会社のミスとなるので、その差額分はお客さんに請求できるわけもなく、赤字にするしかないことも事実です。
早割と通常の商品の差額は、5,000円〜10,000円前後が相場となります。
つまり4人家族であれば4万円の赤字になってしまうこともあり、もともと利益が少ない旅行の商品であるからこそ、かなりの痛手となってしまうのです。
なぜブッキングクラスは難しい?
ブッキングクラスは、問い合わせの多い方面であれば、ある程度ルール化されているので、法則を理解できればミスをすることは少なくなります。
しかしながら、あまり問い合わせのない方面やマイナーなところは、ベテランスタッフでもタリフを見ないと分からないこともあり、誤って手配をしてしまうこともあるものです。
また同じ方面であってもルールが改変されていたり、キャンペーン商品は特別なクラスを手配するといった具合に、イレギュラーなことが多いため、慣れていてもミスをしてしまうこともあるのです。
またお客さんを待たせてはいけないといったプレッシャーから焦ってタリフみてしまい、ミスをしてしまうこともあるのです。
しかし焦ってミスをした代償は大きいものであり、落ち着いて仕事をすることはとても大切であるといえるでしょう。