離職率の高い旅行業界
あるデータによると旅行会社の転職率は非常に高く、3年以内に7割以上の人が退職してしまうという統計もあるほどです。
なぜこれほどまでにハードなのかといえば、第一に業界に対するイメージと、実務が異なるという点が挙げられます。
「旅行=楽しい」というイメージでこの業界に入ると、必ずといってよいほどにその壁にぶつかることが多く、この壁を乗り越えていかないと、なかなか長く勤めることが難しい現実があります。
今回はそんな旅行業界の離職率の高い理由とその実態についてご紹介していきます。
忙しくて給料は安い業界
離職率が高い理由に「非常に忙しい」という理由があります。
電話応対や接客に時間を追われ、休憩時間どころか、お手洗いに行く時間もなかったということもあるようです。
とにかく一日があっという間に過ぎてしまい、営業時間終了後は事務処理などで帰るのは、深夜になるなんてこともザラにあるのです。
サービス残業は当たり前で給料は安く、時給に換算するととても見合っていないというのが従業員たちの不満となり、職場を離れていく人が多いのです。
休みの少ない業界
また旅行業界はとにかく休みが少ない業界であり、基本的には土日出勤、もしくは土曜日のみの出勤など、休日出勤が一般的となります。
さらに土日はお客様がもっとも多くなる日でもあり、特に多忙な業務を強いられることになります。
つまりなかなか連続した休みを確保しにくいため、旅行などに出かけにくいといえます。
接客によるストレス
また接客が必要な業界故に、トラブルやクレームはつきものであり、やはりメンタル面でもある程度強くないと、この業界で生きていくことが難しいものです。
特に旅行という商品は、目に見えないものであり、ちょっとした言葉の言い回しやニュアンスから、捉え方が食い違いそこからトラブルに発展するケースもあるのです。
例えば「現地のホテルはもっときれいだと思っていた・・・」というお客様の主張に対して、お客様が納得できる「ホテルのきれいさ」を定義づけるものは難しく、旅行には主観やイメージといったものがついてくるのです。
このようなことは日常業務の中で比較的よく発生することであり、よい意味でそれに慣れないとなかなか辛く感じてしまう人が多いのです。
離職をとどまらせる業界の動向
そんな離職率の高さを受けて、それぞれの旅行会社ではそれを食い止めようと労働環境の改善にも取り組んでいます。
契約社員を減らし、正社員への積極的な採用を行ったり、中には一度退職してしまった場合でも、3年以内であれば復職できるというような福利厚生を設けている会社もあります。
またもともと福利厚生があまり充実していない業界ですが、従業員の労働意欲を改善すべく、営業成績のよい営業所や社員に対しては賞金旅行などの提供しているところもあります。
やはりタダで旅行に行けることは従業員のモチベーションも高くなるといえるでしょう。
転職しやすい業界
しかしながら一方で離職率が高い業界故に、全くの未経験者でもこの業界に入りやすいともいえます。
また中途採用にも積極的な業界であり、学歴や経験などを問わず比較的転職をやすい環境にあります。
転職には経験者が優遇されることが多いですが、未経験者でも比較的転職がしやすいといえるでしょう。
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