正社員が少ない業界

旅行業界は、契約社員を多く採用している会社もあり、正社員は他の業界と少ない傾向にあります。

 

今回はそんな正社員で働くこともメリットデメリットを、実際に働いている人の本音を交えながらご紹介していきます。

 

そもそも旅行業界はなぜ、正社員が少ないのでしょうか?

 

それは社会情勢、景気、天災、疫病などにすぐに影響を受ける業界であり、会社としても全ての人件費を正社員で採用することは、それなりのリスクがあるという思惑があります。

 

しかし仕事内容においてはそれなりのスキルを求められる部分も多く、アルバイトでは賄え切れない面もあり、その中間をとって契約社員がマッチしていると考えている会社も多いのです。

正社員の給料

正社員の給与は、4年制大学を卒業している新卒の平均で18〜20万円前後となっており、決して高いとはいえない現状があります。

 

また契約社員ともさほど給料が変わらないこともあるので、正社員の中には責任ばかり重い仕事が回ってくるのに、給料がさほど変わらないことについて不満に思っている人もいます。

 

しかし正社員は一般的にはボーナスが支給されることが多く、景気やよいときであれば大手代理店で4、5倍ほど支給されることもあります。

 

やはり年収において、正社員と契約社員では年100万円以上の差があることもあるので、正社員で働く意義は大きいといえます。

正社員で働くマイナス点

旅行代理店において、正社員で働くことをマイナスに感じることもあります。

 

例えば大手代理店でいえば、残業代に制限を掛けているところも多く、いわゆるサービス残業をしなければならない環境を強いられていることもあります。

 

それは深夜までにおよんだり、時には休日出勤をしなければならないこともあります。

 

しかし契約社員であれば残業はさせてはいけないとしている会社や、残業をしてももとの給料が低い代わりに残業代はきちんと支給しているとしている会社もあるのです。

 

つまり契約社員は働いた分だけきちんと残業代が出る上、正社員よりも早く帰ることもできるメリットもあります。

 

これは会社によってかなり待遇にばらつきがありますが、必ずしも正社員ばかりが優遇されているとはいえない環境もあるといえるでしょう。

仕事に対する責任感が問われる雇用形態

他の業界と同様に、正社員は責任感の問われる仕事を任されます。

 

特にイレギュラーなケースが発生した事態の対応は、まさに正社員の出番となります。

 

例えば飛行機の欠航が決まった場合、対象となるお客さんに全て連絡がつくまでコンタクトをとり、さらに出発日が変更になることによって、手配自体を変更しなければなりません。

 

例えば出発日が一日ずれるだけで、現地ホテル、空港送迎スタッフ、レンタカーの手配などの変更、さらに保険証券の発行の切り替えなど、それに付随する仕事がたくさん待ち受けています。

 

また旅行の仕事において、多かれ少なかれクレームはつきものであり、それを対応することも正社員に重要な仕事となります。

正社員登用は厳しい道のり

契約社員から正社員を目指す方法もあります。

 

しかし旅行会社の求人広告に正社員登用ありとしている会社であっても、実際にそれがどれほど機能しているのか、事前に確認をしておくことは、とても大切です。

 

特に中小企業によっては、ほとんど機能していない可能性もあり、思い切って面接で聞いてみることもポイントの一つです。

 

つまり会社としては契約社員でかなり優秀な人材であったとしても、人件費のかかる正社員にはなかなか踏み込めないことも事実であり、低いコストで優秀な人材を確保できることにメリットと感じていることも多いといえるでしょう。