一度は経験する請求ミス

旅行会社に勤務しているスタッフがもっとも恐れていることの一つに、請求ミスがあります。

 

薄利多売な仕事である上、少しのミスでも赤字を出してしまう可能性もあるのです。

 

他の業界でも同様に、赤字を出してしまうことは、会社に損失を与えることであり、自分自身の社内評価を下げることでもあるのです。

 

もちろんそれを出さないように最大限の努力をしていても、旅行代理店に勤務をしていると、やはり誰でも一度や二度は経験をしてしまうことも事実です。

 

請求ミスは赤字まではいかなくとも、ほとんど利益がなくなってしまうこともあるものです。

 

そこで今回は、実際にあったお客さんへの請求ミスの裏話についてご紹介します。

なぜ請求ミスは起こる?

旅行代金とは、ベースとなる基本料金があり、そこに燃油サーチャージ、空港税などの諸税の他、場合によってはフライトやホテルの追加代金、レンタカー、オプショナルツアーなど、実に様々なものが加算されます。

 

さらに子供料金や幼児料金など、複雑な要素も絡んでくることもあり、請求項目が10項目以上なんてことも珍しくはありません。

 

会社によっては、ミスを防ぐために、自動的に計算をしてくれるシステムを取り入れてところもあります。

 

しかし中小企業などの大半が、人為的にそれぞれの項目を立てて計算をするシステムとなっており、どうしてもミスが起こりやすいことも事実です。

 

また基本的には他のスタッフも忙しかったり、お客さんによってはすぐに請求書が欲しいという人もいるので、なかなか他の人が目を通すことが少なく、結果的に誤りに気が付かずに、お客さんに請求をしてしまうという流れができてしまうのです。

 

つまり請求すべき項目を立てることを忘れてしまったり、数字の入力のミスなどによって、請求すべき金額よりも安い金額を請求してしまい、赤字となってしまうのです。

請求ミスに気が付いたら・・・

請求ミスに気が付いてまだ入金がされていない場合は、即座にお客さんに連絡をして、謝罪をした上で、正しい請求書を送付しなおします。

 

ただし入金がされている場合については、お客さんによっては、請求金額に合意をして入金をしたのに、後から請求されることはおかしいと主張する人もいます。

 

これは確かにお客さんの主張が正しいことでもあり、旅行代理店としても立場が弱くなってしまうものです。

 

入金後にミスが発覚した場合は、ケースバイケースとなり、赤字にならない程度であればミスが分かっていてもお客さんに請求しないケースや、振り込み手数料は差し引いて入金をしてもらったりと、金額に応じて判断するケースが一般的です。

 

しかし、それでも応じてくれない場合は、結果的にのむしかない現実もあるものです。

 

また会社に怒られるのが嫌だと感じる人の中には、お客さんになりすましてポケットマネーで振り込みをして帳じりを合わせているスタッフが、実際にいたことも事実です。

請求ミスのちょっとした裏話

請求ミスは、基本的に規定の料金よりも安く請求した場合、お客さんの方からはたとえ気が付いていても、申し出がないことが一般的です。

 

やはりお客さんとしても安く請求されれば、ラッキーと思ってしまうことが本音といえるでしょう。

 

さらに入金がされてしまえば、旅行契約を正式に結んだことにもなり、旅行代理店としてはかなり立場が弱くなってしまうといえます。

 

しかし請求ミスが続くようであれば、社内評価をかなり下げることにもなります。

 

つまり請求ミスは初歩的なミスであり、注意深く仕事をしていれば防げることであり、ケアレスミスでもあるのです。

 

ある程度の業界経験者であっても、どうしても自信がない場合や確認をして欲しい場合は、他のスタッフの目で見てもらう、ちょっとしたプライドを捨てることも必要であるといえるでしょう。