サービス業の難しさ

旅行という概念はとにかく幅広い内容であり、旅行代理店がすべき仕事とそうでない仕事の境界線がとても難しい仕事であるといえます。

 

つまり旅行代理店はここまでしかしない!と考えていても、お客さんにとっては旅行代理店なんだからそこまでしてくれるのが当たり前と考えていることも多いのです。

 

そのギャップによって、時にはクレームになってしまったり、トラブルに発展するケースも少なくはありません。

 

さらにそれは旅行代理店によっても対応が異なるため、あの旅行代理店ではここまでしてくれたのに、この旅行代理店はここまでしかしてくれないなんてサービスが悪いなと思うお客さんがいることも事実です。

 

今回はそんな旅行代理店における仕事の境界線について、詳しくご紹介していきます。

支店ごとに問い合わせ?

大手代理店では全国に支店があり、基本的には最寄りの代理店に申し込みをすることが一般的です。

 

しかし例えば東京に住んでいるけれど、関西に住んでいる親戚のハワイのチケットを購入したいと考えている場合、関西発であれば大阪支店の管轄になることが一般的です。

 

しかしお客さんは最寄りの東京の代理店にきて、同じ会社であれば関西発のものを手配をしてくれると考えている人が多いことも事実です。

 

一般的にこのケースは、大阪の支店でしか対応できず、お客さんが関西の支店に電話で問い合わせをする必要があります。

 

厳密にいえば、空席を調べること自体は可能ですし手配もできます。

 

しかし関西発のノウハウを身に付けていない東京のスタッフが対応すると、ミスが発生しかねないことも事実です。

 

また満席の場合の誘導方法などの知識も乏しいため、結果的にお客さんが損をしてしまう可能性もあるのです。

 

一見同じ会社の商品なのに対応してくれないなんて不親切と思われがちですが、この場合は手間でも大阪支店に問い合わせることによって、結果的にお客さんがトクをすることにもなるのです。

観戦チケットの購入方法を教えてほしい!

海外旅行ではサッカー観戦やミュージカル、オペラなどの鑑賞を一つの目的としている人もいます。

 

ときどきこのチケットの購入の仕方を教えてほしいというお客さんがいます。

 

しかしこれは、例え購入方法が分かっていたとしても「分からない」と伝えた方がベターなことがあります。

 

そもそも旅行代理店のオプショナルツアーを利用するならともかく、個人的に手配をすることは、旅行代理店には全く利益がありません。

 

さらにその購入方法には、いくつかの方法があり、教えた方法よりも、実はよりお得に手配する方法が後から分かり、なぜそれを教えてくれなかったのかとクレームになるケースもあるのです。

現地情報はほどほどに!

現地のおすすめレストランや観光スポットなどについて教えてほしいと言われたときには、客観的な情報をなるべく伝えるようにし、主観的なことは避けるように伝えることもポイントの一つです。

 

つまりおいしいレストランは必ずしも、そのお客さんにとって「おいしいレストラン」であるとは限りません。

 

またレストランの閉店や移転などもよくあることであり、結果的に無駄足を運ばせてしまうことにもなりかねないのです。

断ることも時には必要!

旅行代理店の仕事は、時には親切で教えてあげたことが、結果的にクレームになってしまうこともあるのです。

 

例えマイナス点も含めて教えてあげても、お客さんはよい話のことをよく覚えていることが多く、結果的に過度な期待を持たせてしまうこともあるのです。

 

なかなかこのさじ加減が難しい仕事ですが、それであるからこそ時にはきっぱりと断ったり、マイナスなこともきちんと伝えることが大切であるといえるでしょう。