薄利多売な格安航空券
格安航空券はとても利益率が低く、中には数百円、多くても数千円程度となり、まさに薄利多売な商品といえます。
そのため力をいれてもさほど利益が多くないことから、良い意味で適度に販売したいというのが旅行会社の本音となります。
しかも利益が低いため、顧客の携帯電話に折り返しをしただけで、利益がなくなってしまうこともあり、インターネットのみの販売に力を入れている会社もあります。
ではなぜこれほどまでに利益が低い商品にも関わらず、販売しているのでしょうか。
それにはあるカラクリがあります。
今回は実は儲かる格安航空券のカラクリについてご案内していきます。
キャンセルされる時期によっては儲かる格安航空券
格安航空券は、実はキャンセルされた方が儲かる場合があるのです。
格安航空券はとても安い分、一般的にはキャンセル料が少々高いことがその特徴です。
また予約と同時にキャンセル料がかかるものもあり、一律で30,000円など比較的高い料金設定となっていることが多い傾向にあります。
一方で旅行会社は航空会社の規定に基づいて航空券の発券を行います。
つまり発券をした時点で航空会社への正式手配となり、その時点より航空会社は旅行会社に対して、キャンセル料金を請求できるようになります。
この理論から考えると、例えば2月1日に格安航空券を予約し、旅行者は全額旅行代金を支払いが完了しているとします。
かつ予約と同時にキャンセル料金がかかる航空券を予約していたとすれば、2月1日からキャンセル料がかかることになります。
そして旅行会社は、全額入金されていることが確認ができると発券業務を行います。
例えば2月5日までにこの航空券を発券しなければならないというルールの場合、旅行会社はギリギリに発券業務を行うことが多いのです。
つまり旅行者が全額入金をしてから、発券業務を行うまでの間、この場合は2月1日〜2月4日の間に万が一キャンセルされた場合、30,000円のキャンセル料はすべて旅行会社の利益となります。
このような理由があるからこそ、キャンセルされる時期によっては、かなりの利益が出ることが稀にあるのです。
オンライン予約のシステム
また格安航空券はパッケージツアーと比べると、非常に手配業務もシンプルです。
旅行会社によっては空席状況の確認、ウェブ予約、決済まで、全て旅行者本人が入力できるシステムを開発しているところもあります。
申込書も全てインターネットで入力でき、かつクレジットカード決済までできれば、人件費もほとんどかかからずに済みます。
実はこのような会社は増えつつあり、利益の少ない商品はほとんどシステムに委ねるという方法です。
かつ旅行者にとっても24時間オンラインで予約ができ、旅行会社に出向いたり、わざわざ電話で問い合わせをする手間も省くことができます。
これは双方にとってメリットのあるものであり、このようなシステムを取り入れていく会社も今後増えていくことでしょう。
しかしこのようなシステムは開発費に相当はコストがかかるため、やはり大手旅行会社の強みであり、まだまだ中小企業にとっては発展途上にあります。
格安航空券で企業のイメージアップ
また格安航空券を販売することは、その企業のイメージアップにつながることがあります。
どこの会社よりも安くてよく航空券を手に入れられた経験は、また旅行に行く際にその会社を使ってもらえるチャンスでもあるのです。
今度はその会社のパッケージツアーを利用したり、時には国内旅行にも予約してもらえる可能性も秘めているのです。
つまりその会社のリピーターを生み出す一歩でもあるのです。
このような背景から格安航空券は、利益がたとえ低くても販売する価値があるといえるのです。
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